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イカロス

金星探査機「あかつき」が2010年5月21日に打ち上げられましたが、探査機を打ち上げるときに、ロケットの空いているスペースを利用して、民間企業や大学が開発した小型衛星を相乗りさせることが最近多くなっています。今回のあかつき打ち上げに相乗りした衛星の中に宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した「イカロス」があります。

イカロスの原動力は「光」。光と言っても電気に変えて動力を得るのではなく、ヨットのように帆を広げて光を受けて進みます。私たちは光を受けると「まぶしい」と感じますが、「押されている」とは感じませんので、光を受けて動力を得るということをすぐに信じることはできないかもしれません。

JAXAは2010年7月9日、イカロスが太陽の光を帆に受けて加速することに成功したと発表しました。14メートル四方の帆に1カ月間浴び続けた光の力で、秒速約10メートルの速度変化を確認したそうです。
光の力は極めて弱く、イカロスがうけた力は「0.114グラム重」の力です。1円玉の10分の1ほどのものを手のひらに乗せたのと同じ力です。いかに弱い力なのかが理解できます。それを1ヶ月間受け続けた重さ300キログラムのイカロスは秒速10メートル速度を変化させ、まさに「塵も積もれば山となる」わけです。

このように、太陽光が押す力を利用して進む帆のことを「ソーラーセイル」といいます。ソーラーセイルによる飛行の構想は実は100年前から存在していました。ずっと実現していなかった理由は、軽くて丈夫な帆の素材がなかったからです。
光の力を受けて効率よく進むためにはできるだけ薄いほうがいいわけです。しかし、強烈な紫外線や、急激な温度変化に耐えられるような薄くて丈夫で大きな面積の帆を開発することがこれまでできませんでした。
しかし、ここ10年ほどの技術の進歩でそれを可能にする膜が開発されました。イカロスの帆の厚さは「0.0075ミリ」で、髪の毛の太さの10分の1ほどの厚さです。宇宙空間の強い放射線にも10年以上耐える設計だそうです。

アメリカもソーラーセイルの開発を行っていましたが、過去3回打ち上げに失敗するなど開発が難航してきただけに各国の関心も高く、アメリカの新聞では「はやぶさ」とともに「ウォークマンを発明した国が、テクノロジーの開拓者のイメージを取り戻した」と報じていました。英BBCテレビでは「日本、帆の展開に成功」と伝え、打ち上げ時に折りたたまれた帆の広げ方まで図解で詳報。「オリガミヨット」と巧みさをたたえた英情報誌もあったそうです。

ソーラーセイルの最大のメリットは燃料がいらないことです。「はやぶさ」で使われたイオンエンジンは電力を使ってイオンを加速させる装置で、比較的少ない燃料で飛行することができ、電力が多く供給できれば加速するという特徴を持っています。この2つを合わせた探査機が2010年代後半に予定されています。このようなエコな探査機が今後も開発され、日本の「エコ技術」を示す手段としても注目されそうです。


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